2020年 09月 15日
難聴で認知症に? |
しばらく前のこと、友の会の会報が送られてきました。時々、じっくり読みたい記事が出ていますが、今回はアタリ!難聴と認知症の関係です。筆者は金沢大学耳鼻咽喉科の杉本先生。
認知症との関係は以前から度々新聞の記事にもなっていましたが、会報をじっくりと読んでみました。
高齢化が進む日本では、65歳以上の高齢者の7人に1人が認知症と言われています。軽度まで合わせると実に4人に1人という現実!
その危険因子はたくさんあります。
中年期以降(65歳まで)で言えば、その相対リスクは高血圧1.6倍、肥満1.6倍、それに聴力低下1.9倍とあり、難聴が1番大きな要因となっています。
その理由としては、聴力低下によって人とのコミュニケーションが困難になり、周囲からの情報量の絶対的低下、そして人との関わりを避けるようになる、社会との交流の減少、そして精神的健康の低下、などなど。
自分自身の聞こえにくくなったころと考え合わせると、非常によくわかります。聞こえない、聞き直しの繰り返し、聞き間違い、勘違い、思い込み、そんな事に端を発した日々の細かなトラブルが積み重なる、家族も疲弊してくると言うものです。仕事では、もっともっと深刻な事例もあるでしょう。手術前を思い出すと、友人との楽しいはずの集まりで、話に入れなくて、ただ時間を持て余し、作り笑いをしていた哀しい思い出が蘇ります。
記事では、中年期から難聴を発見し、改善させて、周囲との関わりを積極的に持つことが、予防に効果的だとありました。
人工内耳はもっとも普及した人工臓器の1つと言われていますが、人工内耳以外にも…
中耳 〜 埋め込み型骨伝導補聴器、埋め込み型人工中耳
聴神経〜 聴性脳幹インプラント
なども開発され、健康保険適用になり、急速に普及しているとのこと、人工聴覚臓器の進歩は目を見張るものがあり、未だ治療法のない内耳の蝸牛に関しても、今後再生医療なども進化していくとのこと。
この時代に生きていてよかったと思うと共に、機能の低下を嘆くより、進化を続ける人工聴覚臓器に絶えずアンテナを張って、聞こえを取り戻すために、常に前向きに行きたいものです。
by jhety97
| 2020-09-15 06:20
| 人工内耳
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