2019年 03月 16日
AttaAGAI プロジェクト |
与那国の娘から 「与那国の人とことば」という本が送られてきました。
国立国語研究所の言語学者の先生と、写真家が取り組む、このAtta AGAIプロジェクト、聞きなれない名前ですが「消滅危機言語」と言われる与那国の言葉を記録する活動だそうで、写真冊子は今回で3冊目、娘が載ったというので、送ってきてくれました。Atta AGAIとは、与那国語で「あった(明日) あがい(明かり、光)」を表す造語、島の言葉が消滅する危機から復興する手助けになる願いが込められているそうです。
与那国島はここにあります。
集落は3つ、その内1番大きな祖納(そない)に娘は住んでいます。そのほかにカジキマグロで有名な漁港の久部良、1番小さな比川は、ドクターコトーのロケ地としても知られています。空港もあり、最近は自衛隊の新しい駐屯地が島にできました。
昨年は天皇陛下もいらした日本の西の端、といえばなるほどですが、地理的には台湾にごく近い島で、やはり独自の文化、言語を持っています。
日本には 「アイヌ語」「八丈語」そのほかに「与那国語」を含む6つの琉球諸語があり、この8つの言語は、「消滅危機言語」と言って、何もしないでいれば今世紀中には消滅する危機に瀕している、世界にはそんな言語が6〜8000もあるとユネスコは報告しています。
与那国語は 単になまったものではなく、日琉祖語を祖先とした独立した1つの言語だそうです。
AttaAGAIは、文字を持たない与那国語を日本語のかな文字で書いて記録するプロジェクト、現在与那国に住む人々の写真と共に、インタビューした時に、もっとも印象に残ったひとことを掲載しています。娘の記事はこれです。
娘は東京育ち、旅行で行った与那国島に魅せられ、当地の人と結婚、3児を育てながら、介護の仕事を続けています。
10年前、那覇で行われた結婚式には、なんと300人もの与那国島の人が出席、沖縄式の結婚式には度肝を抜かれましたが、2次会での出来事が忘れられません。
親戚の方々がたくさん出席されていましたが、挨拶で「では、今日は与那国島を讃えて、与那国の言葉で喋ります」と言われて話し出されましたが、本当になんの言葉なのか全く分からない、私は耳の問題もありますが、もうそれ以前のレベルで、外国語そのままでした。親戚の方々はもちろん皆さんわかってらっしゃいます。これは大変なところに嫁に出してしまった……とショックを受けました。
普段はもちろん方言っぽくはありますが、なんとか会話ができますが、全く違う言葉が与那国にはあるんだ、ということが強烈な印象でした。
by jhety97
| 2019-03-16 10:21
| 与那国島 消滅危機言語
|
Comments(0)